ケルンの方言「ケルン語」とはどんな言語? 標準ドイツ語との違いなど

以前、FCケルンがケルン語(ケルンの地元の方言)だとFC Kölle(エフ・ツェー・ケレ)になる、というような話をしましたが、ケルンには地元の方言としてケルン語(Kölsch:ケルシュ)が存在します。

 

ケルンの地元ビールもKölsch(ケルシュ)というので、世界で唯一飲める言語、などと言われたりもします。

 

その特徴はなんでしょう、いわゆる標準ドイツ語に比べて歌うようなリズムがあること。
またG(ゲー)の発音がほぼなくて、J(ヨット)の音になるところ。

ケルン語:Et hätt noch emmer joot jejange.

ドイツ語:Es ist (bisher) noch immer gut gegangen. 
訳:いままでいつもうまくいっていた

(だから(心配せずとも)今後もうまくいくさ、というような意味。ケルンのことわざ)

上の例でみるように、やはり標準ドイツ語のGがほぼJになっちゃうのがわかると思います。

 

あとch(ヒ)の音がsch(シュ)の音になります。

Kirche(教会)が「キルヒェ」でなくて「キルシェ」になるということですね。

これは隣接する言語のルクセンブルク語なんかもそういう傾向があるそうです。

 

また細かい話ですが標準ドイツ語における属格(Genitiv)がなく、

ドイツ語の

die Hose meines Freundes(私の友人のズボン)

mingem Fründ singe Hose

(ドイツ語への直訳:meinem Freund seine Hose)

となったりします。

 

さて利用される範囲ですが、ケルンの学校などでは生徒同士ケルン語で話したり、ケルンの人は家族同士ケルン語で話したりするのでしょうが、私自身は実は街であまり耳にしたことがなくて、あ、この人ケルン語しゃべってるわ、ってなったのはケルンでもなくて、ボンの駅前のカフェのお兄ちゃんがそうだった1回だけです。

以前に比べると、若い人の間ではやや失われつつあるのかもしれません。

 

ただカーニバルの歌は全部ケルン語ですからね。親の片方がケルンの人ではないなどの理由で話すのは得意じゃない、というドイツ人も、ケルンやその周辺で育てば意味は完全にわかるのだと思います。

 

ケルン語が実際にはどんな言葉なのか気になった方は、ゲーテ・インスティトゥートがケルン語の紹介ビデオを作成しているので見てみてください。

以上、ケルンの方言、「ケルン語」についてでした。